DENON AH-D7100
(2012/8/18新規追加)
以下、主にAH-D7000との比較をします。
【図1】周波数特性比較(AH-D7100 vs AH-D7000 vs HD650)
AH-D7100はAH-D7000は全体のスペクトルはそれなりに似ていると思いますが、D7100は更に低音・特に重低音寄りのようです。
またHD650との比較でも分かる通り、D7000,D7100ともに全体としては低音寄りのピラミッド型のバランスです。
【図2】【AH-D7100 と AH-D7000の特性比較】
測定方法:
周波数特性と歪率の測定:バイノーラルマイクSP-TFB-2Hを自分の外耳道入り口に装着して録音、刺激音のヘッドホン再生にはGRCE DESIGNのm902を使用した。
インピーダンスの測定:CLIOwin fwで測定。
AH-D7100 | AH-D7000 | |
周波数特性 | ![]() 低音〜重低音が強調されたF特となっている。 300Hzから下がシェルビングイコライザーで持ち上げたようになっているのが印象的。 ローエンドは実際20Hz以下も伸びており5Hz程度までほぼフラットという驚異の伸びの良さを見せた。 下のインピーダンスのグラフを見れば、「D7000よりもさらに重低音を張り出してやろう!」といった意思を感じるような気がします。 実際Isodynamicに負けないほどにプヨプヨになっていると思います。 |
![]() AH-D7000も普通の密閉型ヘッドホンとしては重低音は非常に良く出ていると思いますけれど、D7100と比べると大人しいようです。 |
歪率(%) @100dB SPL(1kHz) |
![]() AH-D7100は低域の増強と引き換えに、100Hz以下の重低音で歪率が大きく増加し20Hzで5%程度まで達している。 |
![]() AH−D7000の歪率は、全帯域で0.6%以下であり非常に良好。 |
インピーダンス (非装着/装着時) | ![]() 最低共振周波数が、なんと11Hzという驚きの低さ!(ちなみに普通のヘッドホンは100Hz前後のものが殆どです) これは、フリーエッジドライバーだとか宣伝に書いてあったアレですね(良く知らないけど)。エッジを柔らかくしてプヨプヨとした動きにして共振周波数を下げて、重低音の音圧を稼ぎたいという意図ですわね。 |
![]() AH-7000も最低共振周波数は26Hz程度と極めて低く(AH-D7100には負けますけれど)、D7100同様にエッジを柔らかくするなどの工夫がされていたんでしょうね。たぶん。(良く知らないけど) 装着するだけでガツンとダンプされちゃってる様子が良く分かります。あんまり電気的な制動はいらにゃいということですな。 |
【俺感想】≒「俺様の主観ではこんな感じの感想」
D7100の音のバランス自体はD7000から重低音をプラスした、というような印象で、キンキンした音ではない落ち着いたものである点は好印象。
しかし・・・重低音をD7000より伸ばしたい/張り出したい、という意図は分かるのですが、ちょっと出過ぎの感じです。聴いていてちょっぴり疲れるような。
それと、低域、特に100Hz以下の歪みが増えている点も気になるところ。
質的/量的にバランスが取れるポイントをもう一段模索して欲しい・・などとナマイキにも感じました。
個人的にはD5000やD7000のF特のバランスくらいがちょうどいいように思うんですが、これらは生産中止なのでしょうか。うーむ・・・。
以上
TOPへ戻る