グラフだけレビュー
(2010/4/24)
冗談企画ですが、
今回音を全く聴かずに「イヤホンの測定結果の感想」を書いてみます。
もはやレビューでもなんでもなく意味不明ですが、
こーすると測定で、どんだけそれらしいがインチキなことをいえるのか?またはそれなりに妥当なことがいえるのか?
・・・という俺実験でございます。
まあね。なんでも極端はダメですけどね。
=================================
今回の対象イヤホンは、出たばっかりの
Final audio design / FI-BA-SS といたしましょう。
【外観1】FI-BA-SS全体
金属筐体でピカピカと反射しまくり。
それなりに重いですがまあ常識的な範疇と思われ。
ケーブルは細めで取り回しは結構良さそう。
【外観2】ハウジングのオシリ部分拡大
ハウジングのオシリに、BAM(Balancing Air movement)なる機構のための穴が開いている。
・・しかし、ここで素朴な疑問が・・・
普通BA(バランスド・アーマチュア)ドライバーのハウジングであれば背面は密閉されているはずで、
このように振動板の背圧をコントロールできるということは、
・・・えーと・・ortofonのe-Q7やGradoのGR-8のように、一磁極型の「マグネチック型」のドライバーではないのかしらん?
【外観3】イヤチップを取り外し、ortofon e-Q7(右)と比較
並べてみただけですよ。うん。
【周波数特性(振幅特性)】:(ER-4Pと比較) 1kHzの純音が同等になるようにアンプ出力を調整した後、ARTAのsmoothed-FRにて測定。 (Amp=m902、Mic=EarthworksM30、Recording=EDIROL FA-66) |
![]() |
【適当感想】 ER-4Pと相対比較すれば、FI-BA-SSは低音と高音の音圧が高いドンシャリ傾向と言えそう。 低域は7dB前後音圧が高く、例のヘッドホンの「missing 6dB」説からすると、結構イイ線かも。 ただし高域6kHz〜8kHzの音圧が高めな点は、歯擦音が強調される可能性があり若干気になるところ。 |
【歪み率】:(ER-4Pと比較) 1kHzの純音が同等になるようにアンプ出力を調整した後、ARTAのSTEPSにて測定。 ※1kHz以外は機種毎の振幅特性に応じて音圧が変化している点に注意。 (Amp=m902、Mic=EarthworksM30、Recording=EDIROL FA-66) |
||
![]() |
![]() |
|
【適当感想】 5kHz以下は、FI-BA-SSの方が歪み率が大きい様子。 またFI-BA-SSは3次の歪み(上図ではD3)が大きい点は若干心配。(一般論として奇数次の高調波は不快に感じやすいと言われている。) これは振動板の変位に伴う非線形性歪みが大きいためでせうか? |
【インピーダンス】:(ER-4Pと比較) CLIOfwにて測定。(刺激信号=LogChirp、アベレージング8回)、いずれも非装着時。 |
|
![]() |
![]() |
【適当感想】 両機種ともf0(最低共振周波数)は2.5kHz前後で教科書どおりの感じです。 ただし、共振の鋭さ(Q値)はFI-BA-SSの方が高く、3kHzあたりの音圧のピーキーさとして現れておる様子。 また、ER-4Pの共振峰が1つなのに対して、FI-BA-SSは2つめの共振が6kHz辺りにある様子。 これはおそらくドライバ背面での共振によるものではないかと。(BAMなるヘルムホルツ共鳴器っぽい機構?) これによりFI-BA-SSは、6kHz近辺の音圧を稼いでいるようにも思えますが果たして・・・・ ER-4P同様、FI-BA-SSも右肩上がりにインピーダンス値が高くなっておりますから、 アッテネータ(抵抗)をケーブルにカマして高域を相対的に増加させるお遊びが可能と思われ。 FI-BA-SSはDC抵抗が5Ω程度と低く、アンプの出力インピーダンスによる周波数特性の変動については、ER-4Pよりもシビアな予感がします。 |
【参考1】:ortofon e-Q7のインピーダンス ![]() |
【インパルス応答とCSD】:(ER-4Pと比較) ARTAにて測定。(刺激信号=LogChirp) |
|
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
周波数特性がそれなりには違うので、単純には比較できませんけれど、 高域については6kHz、8kHz辺りの共鳴が多少目立つ程度で(8kHzの方はカプラーへのセットによってシビアに変わりやすいです)、悪くない感じ。 低域については0.3.msec程度のサイクルで、若干脈動のような音圧変化があるようにも見えます。 |
===========================================
(2010/4/29追記)
【周波数特性(振幅応答)】:ortofon E-Q7 vs. Fi-BA-SS | 【周波数特性(振幅応答)】:GRADO GR8 vs. Fi-BA-SS |
![]() |
![]() |
ごく大雑把にみますと、e-Q7やGR-8を少しドンシャリ風にしたような音圧特性にみえますが
お使いの方いかがでしょうか?(誰にきいてるのかと)