Sennheiser HD700
(2012/7/29追加)

【写真1】HD700外観

特徴的なステンレスメッシュ、アングルが付いたドライバー、「D」形のイヤパッド ・・・等々
HD800と類似点の多いデザインですが、こちらはドライバーが40mmと通常(?)サイズであるためか、こじんまりとした印象あり。
(個人的にはSonyのQualiua010に良く似た構造に思いました。)

【写真2】HD700ハウジングのメッシュ部分拡大

HD800やHD700で特徴的なメッシュの部分は、非常に細い金属の線が編まれたものであり
(編んだ後に少し表面を削っているように見える)、無数の極微小な穴が均等に存在しており、音響的にはトランスペアレントな構造なのでしょう。きっと。。

【図1A】周波数特性(HD700 左右ch)
(測定:バイノーラルマイクSP-TFB-2Hを自分の外耳道入り口に装着して録音、再生m902)

5.5kHz近辺に比較的大きなピークがある点が最も気にかかる。歯擦音は強調されてしまうように思われる。


【図1B】周波数特性(HD700 vsHD650vsHD800)

低域の量はHD800とHD650の中間程度のようであり、まあ妥当な感じはします。
しかしHD700の周波数特性で特徴的なのは、
やはり5.5kHz近辺のピークであり、残念ながらこちらはあまり好ましいものとは言えそうにない。
(個人的には、HD800についても5kHz付近に若干ピークかあるせいか、自分はHD800もあまり好きではないのです。(HD700よりピーク感はだいぶマシですが))


【図2】インピーダンス

HD650もHD800も最低共振周波数f0は100Hz程度ですが、こいつも当然同じでした。左右chのマッチングは良好のようです。



【図3】歪み率(HD700、HD800、HD650の3機種を比較)

HD700  HD800  HD650 
     

どの機種も開放型である為か、20Hz近くの超低音ともなると1%程度の歪みは発生しているようですが、
あえて言えばHD700は少しだけ低域の数値が悪いようにも見えます。


そのほか雑感:
これらの歪み率は、単に一般の住宅(自宅)で測ったもので、無響室でのものではなく40dB以下などは参考にならないにしても・・・だ。
特に歪みが大きい低域に限って言っても、HD800のリングラジエーターなどの宣伝文句にも謳われている、歪みの少なさというのは個人的にはかなり疑問あり。
HD650から大して歪み変わってないじゃん?・・・って思えてなりませぬ。



【まとめ】 HD700の俺様感想:
HD650の倍近い値段と考えると大変微妙です。ピーキーさが3機種中もっとも強く、なんだかちょっとヤンチャな感じ。
音質的には個人的な好みから言うと、HD650、HD800などから1段落ちる感じがします。



以上


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