USBケーブルによってジッターが変わるのか測ってみたの巻き
(2011/4/16)

0.はじめに:
昨今は「オーディオグレード」といったような名称で、オーディオ専用のUSBケーブルが沢山売り出されております。
PC外付けUSBオーディオ機器と接続するためのケーブルで、なかには1本数十万円もするものもあるやうです。
各メーカーは色々な効能を謳っており、雑誌などのレビューでも
「一聴して解像度が・・」「ホワイトノイズが・・」「ジッターが・・」などと色々良い事が言われたりしています。

そこで今回は、主にジッターについて何らかの変化があるのか3本のUSBケーブルを交換して、
解析信号を再生してジッタースペクトルを測って違いがあるのか比べてみました。


・・・っていうか、また怒られそうです。

1.測定環境:

項目 測定に使ったハードやソフト 備考
再生したPC:  Aser Aspire L5100 (OS Vista)   ※3年ほど前の2008年頃購入。本体前面のUSBポートを使用。 
再生に使ったソフト:  iTunes   
再生したファイル: ジッター解析信号ファイル@44.1kHz/16bit wav
(11.025kHzの信号に、1LSB分の229.6875Hzの変調を加えた信号)  
Lch_11025Hz+229.6875Hz.wav
USBオーディオ装置: ラトック RAL-24192UT1 ACアダプタを使わず、USBバスパワーにて動作させました。 
録音: RAL-24192UT1のヘッドホン端子からの出力を、
16Ω負荷をかけてSONY PCM-D50で録音(48kHz/24bit) 
※16Ω負荷は余計だったかな?
FFT:  WaveSpectra FFT窓関数=ブラックマン-ハリス 7項、サンプル長=131072点
アベレージング512回と、アベレージング無しで観測。


2.比較したUSBケーブル3本:

(1)CARDAS AUDIO / Clear USB 1m 【写真左】
(2)DAISO INDUSTRIES / パソコン専用USBケーブル(接続用)1m 【写真中央】
(3)ラトックRAL-24192UT1付属のケーブル1m 【写真右】



3.ジッター測定結果:

(0)理想的な応答(ジッター解析信号wavファイルをそのままFFTしたグラフ)


(1)CARDAS Clear Serial Buss USB 1.0m 赤:512回アベレージング、 黒:アベレージングなし)



(2)DAISO INDUSTRIES USB 1.0m 赤:512回アベレージング、 黒:アベレージングなし)




(3)RAL-24192UT1に付属していたUSBケーブル 1.0m 赤:512回アベレージング、 黒:アベレージングなし)




上記(0)〜(3)を縮小してGIFアニメ化したもの 赤:512回アベレージング、 黒:アベレージングなし)



4.俺結論:
 ◆3本のUSBケーブルによる、USBオーディオRAL-24192UT1のジッターの変化は皆無と言えましょう。
 ◆また3本のUSBケーブルによる、ノイズフロアの変化も皆無に見えます。別にSNが改善されたりはしていない様子ですよ。(※)

   (※)元の解析信号に含まれる-120dB以下のLSBの高調波が見えないといった点からRAL-24192UT1のSNはあんまり良くないように見える。
 ◆ダイソー105円(税込)のUSB2.0ケーブルは普通に使えますた。

以上