モノラルイヤホンをちょっぴり測定してみるの巻き
(2010/3/7


YAZAWA TR-101W
低価格のモノラルイヤホンです。



【写真1】外観

130円(税込み)也。
コンベンショナルで懐かしいカタチ。




柔らかいイヤチップが無いので密閉性が悪く、普通に装着して聴くと、低音スカスカです。

この密閉性が悪い状態を再現するため、わざとカプラーに隙間を空けて周波数特性を測ってみます。

【グラフ1】周波数特性(密閉度が不十分な場合)
赤:YAZAWA TR-101W、 灰色:ER-4P

空気漏れを再現するため、わざと直径0.2mm程度隙間が空くようにカプラーに装着して測定した場合。
まあ、ここまで低音が落ちているのかはわかりませんが、500Hz以下がストンと落ちているのは、ほぼ俺主観と一致。
高域は2〜4kHz辺りがピーキーで少し耳障りな感じ。人間の声がそれなりに聞き取りやすいようにしてるんでしょうかね。
5kHz以上の高域がストンと落ちてしまっており、HiFi感はどうにも無し。



まずは、この空気漏れをなんとかしましょー。

そこで・・・


【写真2】イヤチップをつけてみる。(FOSTEX KOTORI付属のLサイズ)

・・・結構カッコイイ気がします。(笑)


【グラフ2】周波数特性(KOTORI イヤチップ付き)
黄色:YAZAWA TR-101W(イヤチップ付き)、 赤:YAZAWA TR-101W(ノーマル。漏れあり)、 灰色:ER-4P

幸いなことに、TR-101Wはハウジングにリーク穴が無いため、
最低共振周波数以下(1kHzあたり?)の弾性制御領域で、比較的綺麗に低音がフラットになります。

イヤチップ追加は効果絶大といえましょう。


さらに、ここでインピーダンス特性を測定してみます。

【グラフ3】YAZAWA TR-101Wのインピーダンス

1kHz以上でインピーダンスは単調増加っすね。
・・・あと個人的には、位相がf0から遅れるのではなくて、進んでいるのが謎。何ででしょ?


位相の謎はともかく、インピーダンスがいい具合に単調増加しているので、
アッテネータをかまして不足している高域の増強に使えそうです。



【写真3】Etymoticのアッテネータをつないでみる。


68.5Ω(俺実測)のアッテネータをつないで、高域の増強を試みるの図。



【グラフ4】YAZAWA TR-101W(KOTORIイヤチップとアッテネータ付き)

5kHz以上の高域で3〜8dB程増強出来ている感じです。


まだまだ5kHz以上の高域はLoFi風味ですが、かなり聴ける感じになってまいりました。

あんまり大きなアッテネータをかますと音量が足りなくなっちゃいますから、アッテネータによる補正はこんなところでしょう。
あとはイコライザーなんかで高域を持ち上げましょう。



・・・・と、ココまで来てハっと我に返る俺。