audio-technica / ATH-CKS90LTD
(2010/4/30新規作成)
2010/5/1インピーダンスの項、一部追記

また絶対間違えそうな型式だが・・・大丈夫か?俺。

【写真】ATH-CKS90LTD外観(左はATH-CKS70)

CKS70に比べて振動板背面のチャンバーの容量が増えているらしいです。

 俺イヤーによるひとくち感想:

全体:
低音寄りのドンシャリ。ATH-CKS70のバランスを調整して、少し鮮度を上げたような印象。
なかなかバランスは良いように思います。(俺脳内比)

低域:
ローエンドまでちゃんと出ていますし、質(歪み)もあまり感じないので悪くないと思います。CKS70より低音は相対的に少なめ。(下記グラフ2参照)
ただし重低音を多く含んだソースによっては、まだ低音の量が多く聴き疲れしやすい気もします。


中域:
ボーカルは若干引っ込みがち、かつ若干太め。ボーカルの鮮度が欲しい人は不満かも。
(ただしCKS70よりは改善されてより自然なバランスになっているとは思う。)
サ行のキツさは多少あり(ソースに依存)、これはちょっとマイナスポイントか。

高域:
金属っぽい倍音成分の伸びは若干改善されているが、シンバルなど金物はやはりまだわずかに地味。
スネアもさほど解像感はないが、まあ気になるほどではないと思われ。
ハイエンドはCKS70よりは良いが、やはり今ひとつ伸びきらず頭打ち感あり。

そして文句が多いぞ俺。


【グラフ1】周波数特性(ER-4Pと比較)

ER-4Pと比べれば、結構なドンシャリ風の周波数特性に見えます。

【グラフ2】周波数特性(ATH-CKS70と比較)

アタリマエですが、周波数特性はCKS70との類似点が非常に多い。
CKS90LTDの周波数特性の特徴としては(CKS70比)、
・周波数ローエンドの音圧が5dB程度少ない。(これは意外)
・2〜5kH近辺の高域のピーキーさが少し和らいでいる。
・6kHz超の高域の音圧が最大5dB程度高い。(高音若干派手)

上記のような周波数特性からすると、以下のことがいえるかも。
・CKS70よりは、低域が支配的な音調が少し和らぎ、明瞭さが増している可能性あり。
・ただし3kHz前後が相対的に大人しく、CKS70同様ボーカルはさほど前に出てこないタイプと予想。
・3kHzより上の帯域は音圧が相対的に高く、歯擦音がキツさが出る可能性アリと思われ。


【グラフ3】インピーダンス(ATH-CKS70と比較)
※いずれも非装着時に測定

ATH-CKS90LTD  ATH-CKS70 
共振周波数(f0)に相違があり、CKS70は4kHz強なのに対して、CKS90LTDは6kHz弱。 
よってCKS90LTDの方が音圧のピークが高域よりにシフトしていることと整合します。

・・・あたりまえか。

とはいえ、なぜf0(※)が高域よりにシフトしているのか?という点は不明。えっへん。

ごく単純に考えると、CKS90がチャンバー容量を増やしている、ということはコンプライアンスが増しているわけで(空気バネが柔らかい)、
CKS90LTDの方がf0の周波数は低下してもよいはずですが、これに反してf0は上がっていますから、
結局のところCKS70とは異なる(f0の高い)ドライバーなのでありましょう。(適当)

(※)本当はユニット単体の共振はfs、チャンバーを含めた場合はfscなどと区別して書くのが正しいのでしょうけれど、この辺はいい加減なので許してください。

【追記(2010/5/1)】
縦軸を拡大してよく見れば、両機とも、2kHz前後にもう一つ共振峰があるのがわかります。
よくわかりませんが、バスレフ風に動作しているのかしらん。(CKS90の方はダブルバスレフとかね)
ATH-CKS90LTD  ATH-CKS70 




【グラフ4】歪み率(ATH-CKS70と、1kHz純音の音圧を揃えた上で比較)

ATH-CKS90LTD  ATH-CKS70 
   
CKS90LTDの方が優秀、とも言いがたい様子。(低域は暗騒音の点で測定誤差が少し大きい点も考慮されたし。)
えーと・・・チャンバー容量が少ないCKS70の方がアコースティック・サスペンション風の空気バネの効果で、
むしろ低音は低歪みだったりして・・・なんてことはないんでしょうかね?


【グラフ5】CSD(ATH-CKS70と、1kHz純音の音圧を揃えた上で比較)

ATH-CKS90LTD  ATH-CKS70 
   
共鳴や内部反射の様子は、そう大きな違いはないように見えます。(若干CKS90LTDの方が内部反射が大きそうなウネリあり)
いやワタクシメの見る目がないだけでしょうけれど。


TOPへ戻る