Etymotic Research mc5
(2010/10/11)

【写真1】外観

ダイナミック型のドライバー採用のため、筐体が太めですが、
見た目は結構格好良いと思います。

ER-4シリーズ同様、イヤーチップを深くまで挿しますので、
長時間装着すると耳の穴が痛くなるかもしれませんので注意。

【俺の感想】

<長所>
・Etymotic社らしい高域寄りの綺麗な音。ダイナミック型ということでさほど期待していなかったせいか(失礼)、意外に素直な音で好印象。
・Etymoticのイヤホンとしては、相対的に低音が元気なので、音楽ジャンルの汎用性がなかなか高いようにも思いました。
・クセがあまりない音ので、イコライザーで好みに合うようにいじり易いように思います。
 特にボーカルで重要な、低音〜4kHzまでの山谷が比較的少ないためか、自然で明瞭に感じる点は美点。
 歯擦音のキツさも問題なし(俺イヤー)。

<短所>
・低音が比較的出る、とはいっても「Etyとしては」というだけですので、イヤホン全体の中では低音は薄い部類と思われ。
 ぼかあ妥当な範囲と思いますけどね。あれですよ、好みは色々ですし。
・10kHz以上が大人しいせいか、鮮度はER-4P、4Sなどと比べると劣るかも。(ただしER-4Pや4Sで「高音寄りすぎ」って感じる人には適当かも)
・hf5と同じく、耳の奥に深く入れようとすると、「柄」の部分が耳に突っかかってしまう。
 (ゆえに短い透明のトリプルフランジでは、自分の場合遮音性を確保できませんでしたよ。とほほ。)

まあ要するに、一言で言えば「結構好き」です。
我ながら適当だな。うん。


と、いったところで、毎度お約束のグラフ行ってみましょう。


【グラフ1-A】周波数特性(mc5 vs. ER-4P)

全体の傾向としては、高域寄りで、ER-4Pと似た印象を持ちました。Etymoticらしいバランスです。
ただし、mc5はER-4Pよりも10kHz以上が大人しく、鮮明さという点では一歩譲るものと感じました。
mc5の周波数特性で特徴的なのは、以下の2点のやうに思われました。
 ・高域に3つピークが存在するように思われます。(1.7kHz、3.7kHz、7.5kHz)※
 ・上記ピークより高い周波数では音圧が10dB程もストンと落ちており、ハイエンドの高域の伸びは並程度のように思われ。


※これは【グラフ2】のインピーダンス特性とも呼応しています。・・・まあこれは当たり前といえば当たり前ですけど。
 上手いことピークを分散してるんでしょうかね。


【グラフ1-B】周波数特性(左右ch)

自分の個体については、超低域を除いて、左右ドライバーの偏差は極めて少ないものでした。
真面目ですなあ。偉い偉い。


【グラフ2】インピーダンス特性(上:全体、 下:部分拡大) ※赤線=Rch、青線=Lch


インピーダンスについても、3つピークがあるように見えます。(ほぼ、周波数特性の音圧ピークと合致)
何か相当に工夫してチューニングが成されているようにもお見受けいたします。

(よくよく見れば、5kHz強もピークがあるっぽいですね。3.7kHz〜7.5kHz間のディップをなくすための設計なんでしょうか?
 ・・・これは自分の考えすぎなのかしらん?)

以上

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