ninewave / NW-STUDIO PRO

2011/2/5新規追加
2011/2/6誤字脱字、意味不明の記述などを虚しくも訂正。



ものすごく、久しぶりにいわゆるフツーのイヤホン(intra-concha型)を買いました。
3年ぶりくらい?

もう、ほとんどカナル型ばっかりになっちゃいましたなあ。しみじみ。

【写真1】外観

メタル製ハウジングで作りは結構いいかなって思うんですが、
イヤーパッド(ウレタンのカバー)が非常に脱落しやすい(紛失しやすい)のが困りもの。
俺耳の場合、耳から外す度にハズレそうになります。

俺イヤーでの感想

<俺イヤーでの長所>
・シンプルで好ましい作りと見た目。L/Rの識別も容易。
・開放型のイヤホンとしては、結構低音は出ていると思う。


<俺イヤーでの短所>
・低域、特に120Hzのfs(最低共振周波数)近辺で音が歪みやすい。音量にも敏感。ベースが鳴り始めた途端に歪んだりしてへこみます。
・1.5kHz前後がピーキーでかなり耳障り。(イコライザーでここをピンポイントでひっこめたい衝動が抑えきれない感じ)
・イヤーパッド(ウレタンカバー)があまりにも脱落しやすい。すぐになくしそうな予感。


【グラフ1A】周波数特性Lch/Rchと、Lchの位相

カナルタイプではなく、軽くはめて使う開放型イヤフォンですので、
低音、特に200Hz以下は装着具合によって大きく変わると思います。
上記グラフは、比較的強くカプラーに押し付けた状態で測っています。
(よって、低音は実際の使用時よりも多少多めに出ているんではないかな?と思います。)


・・・で、一見して特徴的なのは、1.5kHを中心とした大きなピーク。こりゃちょっとピーキーでないかしらん?

【グラフ1B】周波数特性 ER-4Pとの比較

まあ、BA型のER-4Pと比べるのも如何なものかとは思いますが、
俺主観と相対的な傾向が概ねあっているようにも思いましたので載せてみました。



【グラフ2】インピーダンス(Lch/Rch)

fsは概ね120Hzくらい。(上の【グラフ1A】F特の低域の音圧ピークに対応しています)
そして、F特でピーキーだった1.5kHzにも当然のように共振峰が存在してます。

その他注目すべきと思う点として、特にLch側には300Hz強に、少々異常な共振が発生している様子。(仔細にみればRchにも300Hz弱に同様な異常あり)
原因はわかりません。(ダンピングの偏りによるロッキングモーションの類か?)
おそらく個体差もあるでしょうし、サンプリング数が1しかないのでよくわかりません。


【グラフ3】歪率(Lch)  unweighted
※測定方法の補足説明:
 CLIOfw+M30(感度30mV/Pa)にて、
 1kHz純音再生が、概ね100dBSPLとなるようヘッドホンアンプ出力を調整した後、
 ARTA(STEPS)にて純音を1/6octaveでSteppedSweepさせて測定しています。

fsあたり(120Hzあたり)で歪率が結構大きく、数%オーダーな様子あり。(俺測定では最大6%程度)
加えて
奇数次の歪が多く、耳障りな音がすることの裏付けになろうかと思います。
実際500Hzあたりまで歪み率は2%以上と、相当に大きい。
この理由として、ダンプがきつすぎるため、fs付近での最大振幅が取れずに、クリップしてしまっているんではないかと憶測します、

俺イヤーでも、このイヤホンは、音量を上げると、500Hz以下で歪みが容易に発生することを強く感じました。


【グラフ4】インパルス応答 ER-4Pとの比較


BA型のER-4Pと比較するのは酷でした。


【グラフ5】CSD ER-4Pとの比較



NW-STUDIO PROは、1.5kHzあたりがキツそうなCSDです。
加えて、320Hzあたりの共振(アノーマリ)がかなりしぶとく残ってしまっていることがわかります。


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