ULTRASONE IQ
(2012/11/25追加)
【IQ概要（？）】
今までイヤホンのラインナップがなかったULTRASONEでしたが、
この10月にIQとTioという２種類のイヤホンが発売されましたので、IQの方を入手して計ってみました。
（しかしこのIQとTio、ULTRASONEらしくなく（？）ちょっと地味なリリースだったような気がします。どうでもいいか・・・）
IQは低域用に直径8mmのダイナミック型ドライバー１基と、中高域用にバランスド・アーマチュア型のドライバー１基を搭載しているとのことです。
イヤホンの作りとしては、MMCXコネクタ付きケーブルや少し短めのステムなど、なぜかSHUREのSE535との類似点が非常に多く・・・謎です。（装着感も似ている）
蛇足ですが、お値段なんと7万円以上であり、カスタムではないユニバーサルタイプのイヤホンとしてはかなり高価な部類です。
AKGの高額なユニバーサル型イヤホンのK3003も、同様なダイナミック型＋バランスド・アーマチュア型ドライバーのハイブリット構成であるのが面白いところ。
・・・むかし同様のハイブリッド構成のイヤホンとして、Ultimate ears のSuper.Fi 5 EBってのもありましたけれど（結構な低音番長でした）、今なぜかブーム再来なのん？
【本サイトのイヤホンの測定方法に関する注意事項】
本サイト内のイヤホンの測定は（Topページの下の方に記載のとおり）内径７mmφ×長さ約22mmのシリコンチューブを自前の簡便な測定です。
IEC60711のイヤーシミュレータなどで測定したグラフとは大きな相違があります。
具体的にはIEC60711のイヤーシミュレータ（イヤーカプラ）では、音響インピーダンスを人間の耳に近いとされるものに近づけている点が異なります。（ACO社製品例。「周波数特性」のグラフ参照。）
簡単に言えば、高域程差異が大きい結果となります。（IEC60711カプラでの測定の方が、より高域の音圧が大きくなる。）
この辺りの解説は、おそらく山米舛さんのサイトが最も詳しく参考になります。（ここや、ここのページ）。
またadcさんのサイト「イヤホン測定結果置き場」の、RECDに関する記載のページも大変参考になるので、ご興味のある方は是非。
※御両名に感謝！
※なおここSONOVEでの測定方法は、adcさんの測定方法とマイクが違うだけでほぼ同じ方法です。（M30とWM-61Aの違いのみ）
・・という前提をお含み起き頂きましたところで、グラフをUPしてゆきます。
【周波数特性】（ULTRASONE IQ Lch/Rch vs ER-4S）
大雑把にDiffuse-Field EQにほぼ準拠（ただし高域のみ5dB程度ダウン）したER-4Sと比較すると、大雑把にいえばドンシャリ傾向といえましょう。
低域は、100Hz前後を中心に10dB程度音圧が高く、迫力を狙っているのでありましょう。
高域は、6kHz（4k〜8kHz）も5dB程度音圧が高く、シンバルなど金物の派手さを狙っているようにも思えます（歯擦音は少し目立つはず）がもちろんこれは憶測。
一方、8kHz以上の高域は音圧が若干低いため、空気感というかシャープさはER-4Sよりも相対的には劣るのではないか？とお見受けします。
・・とはいえ、上記はER-4S基準での比較ですので、モチロン「どちらが良い」という話ではありません。
【インピーダンス】（非装着状態）
マルチドライバーであるため、複雑な曲線となっております。
出力インピーダンスが高いアンプで使用すると、本曲線に従った周波数特性への影響があるのでご注意を。
※積極的に変化を試してみるというのはアリですが。
【歪み率】（THD％）
全体をみると、600Hz〜2ｋHz近辺のTHDが少し高くなっているが（主に３次の歪み）、
100dB SPLという大音量でも、精々0.5％未満であり、実用上気になる人は殆どいないものと想像します。
【最後に俺感想】
何に似ているかと言われれば、音もSE535というかSHUREのE5c系列に似ているように感じました。（低音寄りで、どちらかというと超高域はあんまり出さない。）
音質面はどうよ？と言われると、個人的には価格なりのアドバンテージは殆ど感じなかったというのが正直なところではありますが、まあこれは人それぞれではありましょう。
ケーブルの出来が良い点（少し太目だけれど、非常にソフトで取り回しがしやすい）や、マイクあり・なし双方のケーブルと航空機用アダプタが付属しており、イヤチップもコンプライ２種を含め7種類など、普通に充実している点はグーでした。
（あと、これは単にグチですが、ステムはもう少し長い方がいいなあ・・・SE535と同じく、自分の耳だとしっかり密閉しにくいんですよトホホ。
以上
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