ULTRASONE edition8
(2009/9/13)

俺ひとくち感想:
ハウジングが鏡面仕上げでピカピカです。個人的にはピカピカはあんまり好きじゃないので微妙ですけれど、ソリッドな形は結構いいかも。
スライダーの動作が滑らかで、適度なロック感がある点は好印象。

音は結構なドンシャリ風。密閉型らしく周波数応答にそれなりのクセあり。比較的演出されているという風な音と言えそう。
特にローエンドは結構強調されておりベース/バスドラムあたりは派手目な印象。
録音によっては特にバスドラムが過剰になりがちな気もしますが、外の騒音下で使う(!)のなら妥当な範囲なのかも・・・しれない。
ボーカルは少しだけ引っ込んだように聴こえるけれどまあ普通。サ行はとりたてて痛いというほどではないけれどそれなりのキツさあり。
バイオリンは少しだけ高域に重心が寄ったような印象。アコースティックギターはちょっと目立ち過ぎな気もしますが、なかなか鮮やかで良し。
ハイハット、シンバルはよく目立っているのですが、スネアの粒状感や金物のキラキラした倍音の伸びはさほどでもなく普通な感じに思えます。

【2009/9/19追記】
S-Logicの効果なのか、特にシンバルの音の左右への広がりが良いように感じるのが面白いです。



【グラフ1】インピーダンス(非装着時/装着時)

最低共振周波数は60Hz程度と結構低め。
非装着時のQ値(Qts)は0.35程度と、これもかなり低めでダンピングは強めのようにも見えます。
分割振動と思われるそれなりに目立つピークも複数あり。(1870Hz、2670Hz、4000Hz、6300Hz、15000Hz)


【グラフ2】周波数特性
(stimuli=LogChirp@48kHzSampling,64kLength、バイノーラルマイクSP-TFB-2Hを自分の頭に装着して使用)


200Hzまでの低域の盛り上がりっぷりと、2k〜2.5kHzの谷、6kHzのピークが特徴的。(俺イヤーの純音再生での印象でも同様)
グラフ1のインピーダンス特性と併せてみると、2k〜2.5kHzの谷は分割振動のディップっぽいようにも見えます。



【グラフ3-A】<参考>周波数特性 edition8 vs ATH-ESW10Japan
(stimuli=LogChirp@48kHzSampling,64kLength、バイノーラルマイクSP-TFB-2Hを自分の頭に装着して使用)

赤=edition8、灰色=audio-technica ATH-ESW10Japan

edition8はESW10と比べると、かなり低域と高域が強調されたドンシャリ傾向と言えそう。


【グラフ3-B】<参考>周波数特性 edition8 vs edition9
(stimuli=LogChirp@48kHzSampling,64kLength、バイノーラルマイクSP-TFB-2Hを自分の頭に装着して使用)

赤=edition8、灰色=edition9

むむ・・ごく大雑把に見れば結構似ているとはいえましょう。

念のため、このedition8の周波数特性の凹凸は、本当にドライバ自身によるものなのか?ヘッドホン〜耳間のレゾナンスで発生しているだけでは?という疑問について
非装着(フリーフィールド)での測定と比較してみて、確認してみます。

【グラフ4】ヘッドホンとマイクを頭に装着せずにフリーフィールド(マイクとドライバの距離約20mm)で測った周波数特性との比較
(stimuli=LogChirp@48kHzSampling,64kLength、バイノーラルマイクSP-TFB-2Hを使用)

2〜2.5kHzのディップと、6kHzあたりのピークは非装着時でも生じているようです。なので概ねドライバ(+ハウジング)自身の特性と言えそう。
(なお非装着時の200Hz以下の測定値は、音圧が低すぎて信頼性は殆どありませんのでご注意を)


 【グラフ5】CSD Ultrasone edition8
edition8(左:2.46msec/30dBレンジ、 右:24.6msec/50dBレンジ)
 

1.8kHz〜6kHz強のレゾナンスは若干目立つかも。


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