測定用マイク BEHRINGER ECM8000 関連
(2010/6/30新規作成 > 7/4内容一部修正)
【1.適当な概要】
アマチュアの測定用コンデンサーマイクの定番といえば、BEHRINGERのECM8000。
お値段お手軽で(¥7,000くらい)、それなり(?)の性能を誇ります。
別途ファントム(ファンタム)電源が必要です。
【2.S/Nに少し問題ありかも】
率直なところ、お安い代わりにS/Nはあんまり良くないです。
ノイズフロア全体がEarthworksM30といったお高いものと比較すると軽く20〜30dBはノイズフロアが高いですし、
自分が試したECM8000 4個体全てについて、FFTにかけると容易にハムノイズが観測できました・・・ (´・ω・`)。
・・・まあこの辺は使い方と割り切り次第だと思います。
要は自分の目的を達成できれば良し!
少なくとも同じマイクの個体と測定環境を使う限りは、相対的な差は把握できますしネ。
(シビアに小さい音を拾おうとすると問題とはなるでしょうけれどね)
【3.周波数特性はどうなのよ?】
さてこのECM8000。外箱に印刷されている周波数特性グラフでは、以下のように
60Hz〜20kHzまで、極めてフラットな周波数特性が記載されています。
(スペックシートでは ”Frequency response 15 Hz to 20 kHz”との記載。・・・・本当ですかと。)
【図1】外箱に印刷されていた周波数応答グラフ
PDFで配布されているグラフと微妙に違うようですが、バージョン違い?←PDFの方が現物の特性により合致しているよーに見えます。
(特に10kHzあたりのピーク)
しかしながら、困ったことにECM8000は結構な個体差があることでも有名であり、ハズレを掴むと酷い目にあいます。
さらに困ったことに、ノイズが乗っているのであれば簡単に異常がわかりますが、
F特に異常があったとしても、校正しない限りは分かりようがありません。
F特のバラつきは実際のところは、こんなもの・・・らしい。(55本のECM8000のバラつき。その他のマイクも結果あり。)
別のサイトではこんな感じ。
外箱に書かれているような、フラットな特性の個体は極めて少なく、
ECM8000のF特は、100Hz以下がダラ下がりで、10kHz〜20kHzあたりにピークが発生しやすいということがわかります。
(モノによっては8dBほども差がある)
・・・・で、どーすれば良いのかという結論はありませんが、
自分は試しに校正チャート付きのECM8000を買ってみました。
(Cross・Spectrum Labsから購入。ちょっと値段は上がって$100+配送料金ですた。)
で、こんなグラフが付いてきました。(FRと、Polar Response)
【図2】俺個体ECM8000の周波数応答グラフ
ECM8000としては、まあまあナイスな部類かと思われますが、
それでもしっかり、100Hz以下ダラ下がりと、10kHzあたりのピークという特徴は出てますねん。とほー。
でもまあ校正チャート付きはやっぱいいもんです。
測定ソフトによってはマイクの補正が出来るし、たとえ補正できなくてもどんなクセのマイクなのか知ることは精神衛生上もナイスではあります。
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